こんにちは。
しまむらグループが、カスタマーハラスメントに対し、
出入り禁止を含む厳しい対応を打ち出しました。
今夏、高島屋グループも同様の発表をしており、
社会問題となったカスハラ問題への対応が、
徐々に変わってきています。
今回は、日本に広がるカスハラへの、
いまの対応について見てみましょう。
高島屋グループ、東京都条例案提出など、相次ぐカスハラへの強気な対応。
~取引の停止や店舗等への出入りをお断りする場合がございます~
~現場のスタッフが判断する際に迷いが出るようでは、もはやマニュアルではなく、ただの参考資料~
引用元:しまむら、カスハラ「出禁」対応で日本が変わるワケ 「お客様は神様」というスタンスから脱却へ | ワークスタイル | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
引用記事にあるように、
取引停止・店舗等への出入りをお断りする場合がございます、
という印象の強い言葉が登場しています。
しまむらでのカスハラといえば、
「土下座強要事件」引用元:(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社 (gendai.media)
が記憶に爪痕を残していますね。
単に行為を強要したにとどまらず、
インターネット上への公開など、
現代のSNS炎上事件の、大きな足跡といえる事件です。
~都の条例案では民間だけではなく、公的機関も対象に含まれ、違反者への罰則は設けていません。~
~条例が成立すれば全国で初めてとなり、2025年4月1日から施行されることになります。~
引用元:東京都議会で「カスハラ」防止条例案提出 成立すれば全国初 | FNNプライムオンライン (nordot.app)
東京都でのカスハラ防止条例案も、提出されています。
→関連記事
東京都、カスハラ防止条例案を提出へ。全国初の試みで流れが変わる?
成立すれば全国初ということで、
発表当初から注目されている案件です。
行政での実例は、全国的なカスハラ防止策に向けて
背中を押してくれる結果にもなりえますので、
期待したいところですね。
「おもてなし」と「距離感覚が弱い」ことは別の問題。正しいレールに軌道修正を。
海外に向けてよく使用される
「おもてなし」
という言葉は、日本のサービス業における精神を
表しているといいます。
しかし残念ながら、おもてなしを受ける側にも、
相応の精神性が求められるのが現実です。
日本の接客業は非常に丁寧ですが、
それが一部の人間を増長させたことも残念ながら事実です。
そうした迷惑客に対して、腫れ物にさわるような対応を続けたことが、
現代のカスハラの横行を招いたと思うと、残念なお話です。
極論を言ってしまえば、たんに需要と供給の話なのですから、
供給サイドが極端にへりくだり過ぎたことは、
両者の関係性における距離感を掴みそこなった、といえるのではないでしょうか。
~優位性を乱用して言葉の暴力を振り回す消費者に対して、現場はひたすら耐えるしかなかった~
~サービスを提供する人と受け取る人は対等な関係だという絶対的な原則~
引用元:【日本人のカスハラがひどい理由】おもてなし文化では「5つ星」宿泊施設に勝てない、誤解だらけの日本の接客業 Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン) (ismedia.jp)
昔から言われる、
「お客様は神様」
という言葉は、あくまでサービス提供側の心得であるはずです。
それがいつの頃からか言葉だけがひとり歩きし、
お客 = 私 = 神様
という勘違いが横行してしまった例が多数あるようです。
このような短絡的な勘違いで、
無法な権利を振りかざす存在は、疫病神や貧乏神の類ですね。
筆者は以前、お客と直接関わる職業に就いていましたが、
やはり何件かは、こういうお話に遭遇しました。
ひどい例になると、電話口でのスタッフの一度の言い間違いについて、
4日ほど連続で電話をかけてきて、
その都度5~6時間、クレームを言い続けていたこともあります。
この人物の場合は、クレームというよりも、
「店側の過失をとらえてお金にしたい」
という魂胆が見え透いていました。
現金ではなく、値引き、サービスという形ではありましたが。
筆者含め店舗側の人間は、
数千円~数万円の利益(?)
を得るためにそこまで時間と労力をかけられる情熱(?)に、
辟易すると同時に感心もしたものです。
来日した外国人の方には、日本のサービスはとても評判が良いそうです。
それはすばらしいことではありますが、
サービスを提供する側が一方的に心身を削るのは、明らかな誤りです。
いま、残念な方向へ傾いている日本のあり方に、
大きな一石を投じる結果につながることを、期待します。
それではまた次回。
→関連記事