こんにちは。
「人間関係リセット症候群」
という言葉があります。
正確な医学用語、というわけではなく、
突然周囲の(一部の場合を含む)人間と連絡を取らなくなる、
といった行動やその心理を指すようです。
その裏には、もう人間関係に疲れた、などの理由があるようです。
ネット社会の現在では、SNSのアカウントを消す、
全くリプライしなくなる、という行動もその一種といえそうですね。
今回は、周囲の人間との関わりを断ってしまう行動とその心理、
行きつく結果について見てみましょう。
複雑な人間関係に疲弊した人間のとる行動。しかしメリットもある。
前述のように、心理学用語、医学用語として定着した言葉ではありません。
しかし、一般的に認知される程度には広まっている言葉ですので、
この心理に心当たりがある人は一定数いるのが現状です。
~突然音信不通になる、転職を繰り返す、SNSのアカウントを急に削除するなどの行動が該当~
~今後付き合いの必要性を感じない場合は、連絡を絶つ行動を取りがち~
引用元:人間関係リセット症候群の起こりやすい「共通点」とは?実践すべきことについても解説(精神科医しょう) - エキスパート - Yahoo!ニュース
「もう疲れた」
「関わりたくない」
という思いに至る原因には、いくつかの類型があるようです。
人間関係が一新されるタイミングと重なる場合
引用記事にもありますが、
- 進学・就職・転職など、リセット以前に疎遠になる時期
- 受験・引っ越し・結婚など、入念な準備が必要な時期
- 話が合わない、行動範囲が変わる、などのズレを感じたとき
こういった時期には、リセット症候群とは無関係に、
人間関係の再構築が行われます。
そのうえ、心のどこかにマイナス感情があれば、
いわば無理なく関係の断捨離が行える機会となります。
合わないと感じる相手と無理に繋がり続けるというのは、
心理的に負荷がかかるものです。
誰も彼もを切ってしまえば、後に残るのは孤独だけですが、
必要な場合を見極めるなら、自然に離れることができる機会として、
利用するのも手ではないでしょうか。
周囲の歩調に合わせるタイプが陥りやすい?
他人の評価が気になる人、ストレスに敏感な人、ネガティブな人。
こういった人は、人間関係をリセットしたくなることが多いようです。
~人間関係に疲れてしまい、「人間関係をリセットしたい」~
~それまでの人間関係を続ける必要がなくなった~
引用元:【人間関係をリセットしたい】"人間関係リセット症候群"の心理と対処方法 - CANVAS|若手社会人の『悩み』と『疑問』に答えるポータルサイト (mynavi-agent.jp)
前述のような環境の変化などで、自然にかかわりが消滅するケースであれば、
特段、気を遣わなくとも違和感なく距離を置くことができますね。
しかし社会人、は1年でクラス替え・3年で卒業、というわけにはいきません。
人事異動や退職・転職というイベントがなければ、
来年も、5年後も、ひょっとしたら10年後も、
「あの人たち」
と同じ場所で顔を合わせ続けなければなりません。
この状況は、周囲の顔色を伺うような癖がついている人や、
常に一歩引いて他人の要望を優先するような生き方が身についている人には、
辛い現実かもしれません。
SNS上であれば、それこそアカウント削除で済むのですが・・・。
極端な場合は、退職・転職に。人生に影響があるため、決断は慎重に。
職場での人間関係は、生きていく手段と密着しているので、
多くの人にとって大きな問題です。
明らかなパワハラやいじめが横行しているならば、
上層への訴えなど打てる手を打つべきです。
そのうえで効果が期待できないなら、退職・転職に向けて前向きな行動が必要です。
しかし、いま取り上げている人間関係のリセットは、
ここまで深刻でないケースが多く含まれています。
ハラスメントやいじめ、とまではいかないけれど。
生命や権利をおびやかされるほどではないが、
なんとなく居づらい、絡みづらい。
会話もするし、笑顔も作るが、
社交辞令、作り笑顔。
どちらかといえば、こういった層にとっての解決法のひとつが、
人間関係のリセットなのではないでしょうか。
決断して実行してしまえばそれで終了。ある意味簡単だが、影響は絶大。
職場を離れる決意までは大変ですが、
勢いであってもやってしまえばそこで関係は終了となります。
人間関係だけを考えるなら、ひとつの正解といえるかもしれませんが、
天秤の反対側には、のちの人生が載っています。
長く耐えられないにしても、必ず次の職場を見つけてからの決断をお勧めします。
引用記事にもありますが、
他人に期待し過ぎないこと
がとても大切です。
同時に、他人に気を遣い過ぎないことも大事です。
あなたの期待に100%答えられる人間はいませんし、
あなたも周囲の期待に100%答えることはできません。
よく言われる石ころの例のように、
自分も他人も、川底の石ころのようなものです。
人生という川のなかで転がって、同じように転がっている他人と、
時に一緒になって時に離れて、時にぶつかり合ってお互いを削り合う。
その結果、みんな少しずつ、丸く、カドが取れて行く。
見方によってはそれも、成長と呼ばれるのでしょう。
最後には決断も必要。しかしその前にやれることをやってみたい。
大きな決断は、大きな結果を生みます。
家族がいても、いなくても、よりよい人生を送るために、
我慢が必要な時があります。
関係を断ちたいと感じているなら、追い込まれて突然動くのではなく、
早い段階で準備を始めて、より安全にシフトしたいですね。
それではまた次回。
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