こんにちは。
筆者の好きな作品がまたひとつ、アニメ化です。
若いころはあまり恋愛モノに触れなかった筆者ですが、
ここ10年くらいで、割と見るように。
本作は、近くて遠いところにいた二人と、
彼らを取り囲む人々の交流を描く作品です。
若くて不器用な少年少女たちが、
少しずつ、おずおずといった風情で
距離を縮めていく姿が、美しくもほほえましく描かれます。
今回は、2025年放送のTVアニメ、
「薫る花は凛と咲く」
をご紹介します。
2021年より漫画アプリ「マガポケ」連載。スレた感じのない若さが心地よい。
本作の主人公は
「紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)」
「和栗 薫子(わぐり かおるこ)」
の二人です。
それぞれが
千鳥(底辺男子高)、桔梗女子(お嬢様高)に通っていたため、
本来であれば接点のない人生を送ることになるはずでした。
~2025年にテレビアニメ化されることが決定した。アニメ制作はCloverWorksが担当する。~
引用元:『薫る花は凛と咲く』2025年にテレビアニメ化 PV公開で制作はCloverWorks(オリコン) - Yahoo!ニュース
「隣り合った違う世界」に住む二人。小さなきっかけが、二つの世界を交わらせる。
千鳥と桔梗は、実はお隣の高校です。
女子校と男子校、というだけでなく、
それぞれの学校のカラーや、
通っている生徒の層もまるで違うため、
両校の生徒たちには交流らしい交流はまるでありません。
とくに千鳥の男子学生たちは、少なくとも見た目
「ガラが悪い」
ので、桔梗のお嬢様たちは、向かい合った校舎で
姿が見えないように、カーテンで目隠しまでする始末でした。
主人公の凛太郎・薫子の二人も、
周囲の人々と同じように、お互いの所属する世界を、
なんとなく別世界のように感じていました。
しかし、とあるきっかけから二人は知り合い、
交流するようになります。
そしてやがて、二人の周囲の人々も巻き込んで行きます。
「敵同士」だったはずの相手。外れた色メガネの向こうに見えたものは。
とにかくかわいい二人を、ぜひ見てほしい。
おじさん目線になりますが、
とにかく「かわいい」んです。二人とも。
薫子はヒロインらしく、美しく可愛らしく描かれていますが、
しかし強面ながら凛太郎も、かわいいんです。
まあ、見た目はアレですが。
原作者の三香見サカ先生の作画は、非常に美しく繊細で、
薫子の笑顔は、底抜けの明るさで描かれます。
凛太郎はあまり笑わない少年ですが、
それだけに、時折見せる、年齢相応の控え目な笑顔がとても印象的です。
二人の、時に見た目通りの、時にギャップの大きな内面が、
読者を爽快に揺さぶってくれます。
二人はどちらも、およそ先入観や見た目で他人を判断する人間ではありません。
しかし、最初から別々の、相反する立ち位置でスタートすれば、
やはり交流に至ることは難しくなります。
ようやく始まったやり取りも、
周囲の同調圧力を受けることになります。
しかし、周りにいる彼らもまた、
いつか誰かにかけられた色メガネを通してしか、
世界が見えなくなっているのではないでしょうか。
現実世界でも、相手本人ではなく、
相手の肩書と話をしているような人々を見かけます。
人間は社会的な生き物なので、肩書のようなシステムも必要ではあるでしょう。
しかしそれだけでお互いを測るようなことは、避けたいものです。
若く純粋で、相手の魂と直接語り合っているような、
そんな彼らの交流が、今からとても楽しみです。
それではまた次回。