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スナック菓子で洞窟の生態系に影響。示唆に富んだ実話。

こんにちは。

アメリカ観光地の洞窟での小さな事件が、

一部で大きな話題になっています。

「観光客が、お菓子を落とした」

というのがその事件です。

しかしその小さな入口から、

ひとつの生態系に大きなゆがみが生じてしまった、

というのがこのニュースです。

今回は、小規模なきっかけでも、

世界の変革につながることもある、という事例を見てみましょう。

アメリカの国立公園でのお話。観光客の何気ない落とし物。

今回のお話の舞台は、

米ニューメキシコ州のカールズバッド洞窟群国立公園です。

この内部で、観光客が食べ歩いていたのであろう、

スナック菓子のチートスの袋が落ちていたのが発見されました。

記事では、何個落ちていた、とか詳細な量には触れられていませんが、

おそらくある程度の量が残っていたのでしょう。

しかし、この程度で生態系に影響というと、

シロウト目には、少し大げさな気もするのですが・・・。

~人間のスケールにしてみれば、スナック菓子の袋を落とすのはささいなことに思えるかもしれない。だが洞窟の生命にとって、それは世界を一変させ得る~

引用元:観光客が洞窟に落としたスナック菓子で「世界が一変」、米国立公園が注意喚起(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース

ひと袋のお菓子がもたらしたものとは?洞窟の生態系はどう影響を受けたのか。

引用記事内に、ある程度具体的な説明があります。

加工トウモロコシが、洞窟の湿気で柔らかくなる

  微生物や菌類を宿すのに最適な環境を作り出す。

すぐにカマドウマ、ダニ、クモ、ハエの一時的な食物網が出来上がる

  これらが、周辺の洞窟や地層に栄養分をまき散らす。

カビは周囲の表面のさらに高い場所へと拡散する

  そして実を付け、死んで悪臭を放つ。そしてこのサイクルは続く

あっという間に、洞窟内の環境は大きく変わってしまったようです。

人間にとっては、ひと袋のお菓子に過ぎないのですが、

視点を変えれば世界を揺るがす存在にもなりうるのですね。

来た時よりも美しく。キャンプの標語のような、大事な言葉。

~飲料水以外のものを飲んだり食べたりすれば、動物を洞窟の中に呼び込んでしまう~

引用元:観光客が洞窟に落としたスナック菓子で「世界が一変」、米国立公園が注意喚起 - ライブドアニュース (livedoor.com)

そもそものスタート地点が、ルール不遵守。

今回の国立公園によるSNS投稿で、

洞窟に与えた今回のような影響は

「完全に防ぐことが可能だった」

と指摘しています。

それも当然の話で、そもそも

「同公園の洞窟内では飲料水以外の飲食が禁止されている」

のです。

今回の落とし主が何者で、大人なのか子供なのか、

落としたことに気づいていたのかいないのか、

それはもうわかりません。

しかしその人物がルールを守っていなかったことだけは明らかでしょう。

ツアー開始前にしおりの配布、ルールの説明はあるはずですから、

あとは参加者のモラルにかかっています。

また、今回生じた影響を可能な限り取り除くため、

レンジャーが出動し、多大な労力が必要だったことも重要です。

人間社会でもさまざまな形で起こりうる、小さな入口、大きな結果。

今回のニュースを聞いて、筆者が思い出した古い映画があります。

「コイサンマン」

という1980年のタイトル(公開当初は別タイトルでした)で、

公開当時は筆者も子供でした。

南アフリカ上空を飛行していた自家用機のパイロットが、

コーラのビンを投げ捨てたのが全ての始まりでした。

落下したビンを拾ったのは、近くの集落に住む人物で、

彼らにとって初めて目にする未知の物体は、

大きな好奇心を呼び起こし、様々な用途に使うことを考えさせ、

またそれをめぐって奪い合いにまで発展します。

あくまでコメディ映画なので、視聴しやすい内容でした。

今回の洞窟の件は、そこに住む生物にとって、

生きるためのサイクルを変動させてしまうほどの衝撃でした。

上述の映画の例は、人間にとって未知の存在がいかに影響を受ける存在か、を

描いているといえます。

たったひとつの小さなきっかけから、

おおきなうねりが生まれることを、

現代人は意識しておいた方がよさそうですね。

それではまた次回。

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