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「職場を腐らせる人たち」が共感を呼ぶ時代。なぜ、彼らは・・・。

こんにちは。

さまざまな職場での、さまざまなトラブルを見聞きする時代です。

関西住まいの筆者には、兵庫県知事のパワハラ問題などが身近ですね。

聞こえてくるのは、やはり人間関係が中心です。

つきつめれば、ほとんどのトラブルの原因は人間関係にある、

といっても過言ではないかもしれません。

今回は、5万部を突破したベストセラー、

「職場を腐らせる人たち」

を参考に、現代の職場環境における問題点を見てみましょう。

押しつけ、見下し、責任転嫁。妨害、ゴマスリ、自己保身。何なのホント?

~根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、

足を引っ張る、人によって態度を変える、

自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらは

いったい何を考えているのか。~

引用元:「働かないおじさんなのに、給料が高いのはおかしい」と言われた50代平社員の「仕返し」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

上の引用記事では、生々しい事例が紹介されています。

仕事が遅いために昇進とは無縁のまま50歳、

自己保身のためには他人の足を引っ張るしかない、

そのためにはほかの誰かの評判を落とせばいい・・・。

2時間ドラマの犯人の逮捕前の述懐のような内容が、

現実に起きていて、しかもそれはこの事例だけでなく、

日本中(世界中?)で展開されているのです。

5万部突破のベストセラー。職場を腐らせる人たちとは?

引用元:『職場を腐らせる人たち』(片田 珠美):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)

精神科医として7,000人以上を診察してきた

片田珠美先生(片田 珠美 Tamami Katada | 現代新書 (gendai.media)

による本書は、現代の職場環境での人間関係の問題を取り上げています。

根性論を押し付けるパワハラ上司、ケチをつける人など、

どこにでもいる、困った人々の姿を紹介しています。

そのうえで、彼らの特徴を知り、

自分自身が加害者にならぬよう、

あるいは被害者となった場合に身を守れるよう、

知識としての処方箋を提示してくれる内容となっています。

ぜひ、一読をお勧めします。

残念なことに彼らは、

「どこにでもいる」

のです。本当に。

筆者はいくつかの職場を渡ってきましたが、

その全てに、類型のどれかに当てはまる人物がいたものです。

そういう特殊な人間が存在する、というよりは、

誰もが内面に抱えている問題が表面に表れている人物がいる、

ということなのでしょう。

ろくでもないが汚染力も強い。被害者・加害者にならぬよう、ご用心。

腐ったミカンが箱に一つでも入っていると、他のミカンも腐っていくのと同じ現象だ。~

~まず、「自分もやられたのだから、やってもいい」と正当化する。~

~正体に読者の方が一刻も早く気づいて、

自分の身を守れるようになることを願いつつ、

本書『職場を腐らせる人たち』を執筆した。~

引用元:どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体(片田 珠美) | 現代新書 | 講談社(1/4) (gendai.media)

「腐ったミカン」という考え方は・・・

腐ったミカン。

ドラマの熱血教師には否定されるのかもしれませんが、

現実問題、例えとして正鵠を射ているのではないでしょうか。

感染・汚染・蔓延、いくつか言葉は選べますが、

いずれにしても、悪影響の伝播にほかなりません。

「あの人が言ったから・・・」

と始まった特殊ルールも、一定の時間が経てば、

「いつもやってるから・・・」

と、既存のルールにすり替わります。

そうなったら最後、さらに上書きするのは、難しくなってしまいます。

初手で、

「最初のひとつめ」

が腐るのを防がなければならず、そして、それが難しいのです。

「自分もやられたのだから、やってもいい」

この言葉からは、運動部での

「文化の継承」

を思い起こしました。

筆者は昭和後期生まれなので、

「一年は休み時間にグラウンドを整備」

「一年は水を飲んではいけない」

「一年は罰としてグラウンド周回」

などの体育会ルールを経験しましたが、

いまでも続いているのでしょうか?

百歩譲ってグラウンド整備くらいは慣例として受け入れられますが、

水やら懲罰のランニングは、今の時代、どうでしょうか。

自分の心を守るために、他の誰かの心を攻撃せずにはいられない。

それでは、あまりにも不毛で、悲しいことですね。

「正体に気づいて、自分の身を守れるように・・・」

ここに、この問題のもうひとつの難しさが現れていると感じます。

「フレネミー」

などと言われるように、

敵対的行動をとる相手が、必ずしも敵の顔をしているとは限らないのです。

むしろ、友達のような、仲間のような、同じ被害者のような。

優しげで友好的な顔をして、あなたをどん底に叩き落そうとすることもあるのです。

そして、そのような人物が幅を利かせている現場では、

彼らの強弁が我が物顔で押し通り、あたかも常識であるかのように誤認されます。

「無理が通れば、道理が引っ込む」

の典型例で、こうなってしまえば、

真面目で大人しい人ほど、

「自分が悪いのでは?」

と、自責の念に駆られます。

「エネme」

という言葉もあるように、

自分で自分を追い込んでしまう悪循環のはじまりです。

今回の

「職場を腐らせる人たち」

は、上の事例にあるような困った人物・事例について

多くの臨床経験のある精神科医の立場から執筆されています。

ぜひ一読のうえ、心身を守る一助としたい一冊ですね。

それではまた次回。

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